FIREとは?
近年テレビや書籍で話題になっている、早期リタイアのことです。読み方は「ファイア」ですが「火」という意味ではありません。「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を略したもので、「経済的自立と早期退職」を意味します。 FIREはアメリカ発祥のムーブメントですが、最近では日本でも目標にする人が増加しています。
経済的自立とは?
FIREが目指す「経済的自立」は、一生暮らすのに困らないような大金持ちになることではなく、資産運用をすることで得られる収入(不労所得)によって生活費をまかなうことです。若年層で働いて投資元本を蓄財し、運用益で生活できる目途が立った段階でリタイアするのです。
FIREのメリット・デメリット?
FIREのメリット
- 働くか働かないかを選択できる
- 暮らす場所を自由に選択できる
- 少ないお金で生活できるようになる
働くか働かないかを選択できる
FIREを実現した後は、好きなことをして暮らせます。働くかどうかも自由です。週に1~2回、好きなときだけ働くといった選択肢もあります。労働に縛られず、自分の好きなように時間を使えます。
FIREには、細かく次のような分類があります。
- Fat(ファット)FIRE:贅沢もできる状態でのFIRE
- Lean(リーン)FIRE:倹約しながら最低限の生活費を資産運用して生活するFIRE
- Barista (バリスタ)FIRE:フルタイムではなく頻度を減らして働きながら生活費を賄うFIRE
- Coast(コースト) FIRE:資産はあるがあえて働くFIRE
このように、自分のスタイルに合ったFIREの形を選択することもできます。
暮らす場所を自由に選択できる
出社しやすいように会社の近くで暮らしている人は多いでしょう。しかし、FIREを実現できれば仕事に縛られることがないので、住む場所を自由に選択できます。都会や田舎、あるいは海外での生活も可能になるため、自身の好きな場所に住めるのは魅力の一つといえます。
少ないお金で生活できるようになる
FIREは、年間支出が少ないほど達成しやすくなります。FIREを目標にすれば節約を心がけ、貯蓄に励むようになるでしょう。価値があるものにだけ支払うようになり、少ないお金でも上手に暮らせるようになります。
FIREのデメリット
- 年4%の不労所得は簡単ではない
- FIRE実現後に破綻するリスクがある
- キャリアを積み重ねられなくなる
年4%の不労所得は簡単ではない
FIREでは資産を年4%で運用し、運用益で生活費をまかないます。しかし、投資にはリスクがあります。株式市場の動向などによっては、年4%の運用益を確保できないこともあるでしょう。FIREで早期リタイアするなら、投資について十分な知識・経験を積んでおくことが重要です。
FIRE実現後に破綻するリスクがある
急な支出に備えて、あらかじめ生活費3年分ほどの余剰資金を確保しておくと安心できるでしょう。また、資金面だけでなく精神的な問題からFIREが破綻する可能性もあります。FIRE実現後は、仕事から解放される反面、人や社会とのつながりが途絶えてしまうものです。やりたいことがない場合、孤独感から精神的に追い詰められてしまうというケースもあります。特に、「仕事がイヤでFIREを目指す(目標が無い)」という場合は注意が必要でしょう。
キャリアが積み重ねられなくなる
FIREにより早期にリタイアしてしまうと、キャリアを積み重ねられません。社会に復帰したいと思っても、できることが少なくなってしまう可能性があります。仕事から離れてもスキルを維持できるよう、必要な自己投資を行うことも考えましょう。
FIREを実現させるためには?
必要なFIRE資産の目安は「年間支出の25倍」です。これは、「4%ルール」の考え方によるものです。米国の株式市場は毎年インフレ控除後で実質4%の成長をしているので、「投資元本(100%)÷年間支出(4%)」、つまり年間支出の25倍の資産があれば、FIREが実現できる、というのです。
- FIRE後に必要な年間生活費を計算
- 年間生活費を賄うために必要な資産額を計算
- 資産額を貯めるために投資する
年間生活費を賄うために必要な資産額を計算
まず、リタイア後にどれくらいの生活費がかかるのかを算出します。将来の生活費を見積もるためには、現在自分が何にどれだけお金を使っているのかを把握することが大事です。家計簿をつけたり、銀行やクレジットカードの明細を見直したりしてみましょう。不要なものを削ってリタイア後の生活をシミュレーションすると、いくらあれば生活できるかが見えてきます。
FIRE後に必要な年間生活費を計算
FIRE達成の条件は、年間支出の25倍の貯蓄です。見積もった年間生活費をもとに、必要な貯蓄額を計算しましょう。年間でかかる生活費が300万円の場合、FIREに必要な資産の総額は7500万円となります。
資産額を貯めるために投資する
算出した必要額を用意するために節約して無駄な出費を削り、貯蓄に回します。効率よく資産を増やすには、投資がおすすめです。FIREではリタイア後も投資を続けることになります。早くから投資を開始しておけば、長期的な運用で複利効果が得られ、お金が増えやすいというメリットがあります。
FIREまとめ
・FIREとは経済的に自立した状態で早期退職し、自由な時間を過ごすこと
・FIREするためには年間支出の25倍の資産が必要
・FIRE後は蓄えた資産を年4%で運用して生活していく
・FIRE実現のためには投資が重要
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