公務員は副業がバレたらどうなるの?

公務員

公務員の副業がバレたら?

公務員の営利目的の副業は原則禁止です。しかし公務員の副業がバレてしまったニュースが後を断ちません

公務員の副業は下記の記事の通りですが...

もし、副業がバレたらどうなるのかな...

どんな処分を受けることになるのかな⁈

結論から言いますと、公務員の副業がばれてしまった場合は懲戒処分を受けます。公務員の副業がバレるのは、身内や同僚がリークするケースが多いからです。営利目的の副業がバレたら、懲戒処分を下されます。

そこで今回は、公務員の副業がバレた場合の懲戒処分や処分を受けた公務員の例を紹介していきたいと思います。

公務員の懲戒処分

懲戒とは「不当行為に対して懲らしめて戒める」制度であり、罪の重さによって「訓告、戒告、減給、定職、免職」の5段階に分かれます。

種 類 説 明
訓 告上司に注意されるのみで、厳密には懲戒処分ではありません。ただ、部署異動などの短期の制裁例もあります。
戒 告職員の人事記録に残り、退職まで不利な影響が続きます。昇給や賞与査定、出世においても粛清対象です。
減 給給与の数十%を最大6カ月間減額します。一時的でそこまで多くない副収入のときに適用されます。
停 職最大6カ月間職務に従事できず、その間の給与は0円になります。副業で長期間や多額の収益を得た人が対象です。
免 職公務員としての身分を失います。副業で免職例はなく、副業中に犯罪行為をしたときに適用されます。
懲戒処分の規定は国家公務員法第82条地方公務員法第29条に定められています。

さらに詳しく解説します。

訓告

法律上は、国家公務員・地方公務員を対象とした処分のひとつであり、懲戒処分に当たらない軽い処分となります。訓告の処分を受けた場合でも、昇給や昇格への影響はありません。

戒告

戒告は口頭による厳重注意で将来を戒める処分です。給料が減らされたり職務停止期間が設けられることはありません。しかし人事評価にキズが付くのは避けられないため、将来的に昇進へ悪影響を及ぼします

戒告該当事由

・勤務時間の始め又は終わりに勤務を欠いた
・職権乱用による個人秘密情報の目的外収集(減給or戒告)
・職場のPCで職務に関係ない目的で使用(減給or戒告)

減給

減給は一定期間一定の割合で給料が減らされる処分です。地方公務員は各地方自治体が条例で減給期間や割合を明記。国家公務員は人事院規則一二-○にて「一年以下の期間、俸給の月額の五分の一以下に相当する額」と定めています。

減給該当事由

勤務時間中に職場を離脱して職務を怠った(減給or戒告)
・兼業の承認等を得る手続を怠った(減給or戒告)
・故意もしくは虚偽の届け出により諸給与を不正受給(減給or戒告)

停職

停職は一定期間職務に従事させない処分です。人事院規則一二-○では、1日以上1年以下の停職期間を定めています。停職期間中でも公務員としての身分は保証されますが原則無給です。

停職該当事由

・秘密漏洩により公務に重大な支障を生じさせた(免職or停職)
・公文書の偽造、変造など(免職or停職)
・部下職員の非行行為の隠ぺいなど(停職or減給)

免職

免職は懲戒処分の中でも一番重い処分。強制解雇を意味します。基本的に公務員は民間企業と異なりクビにはなりません。しかし、次に当てはまったり重犯罪を犯したりすると、免職処分を下されます。

免職該当事由

・正当な理由のない21日以上の欠勤(免職or停職)
・自己の不正な利益を図る目的で守秘義務に違反
・公金又は官物の横領、窃取、詐欺

懲戒処分を受けた公務員の例

実際に懲戒処分を受けた公務員の例は多々あり、毎年30~50人の規模で摘発されています。公務員の副業がばれる原因は主に「総務部から納税額の増加を指摘、税務署から無申告を指摘、第三者による密告」です。

副業関連で公務員が懲戒処分を受けた事例を引用しました。停職や減給処分が下されている事例が目立ちます。懲戒免職になった事例は見つかりませんでしたが、周りにも多大な迷惑をかけます。

  • 公務員全体の信用が落ちる
  • 庁内にいづらくなる
  • 昇進・出世に響く
  • 家族にも迷惑がかかる
勤務時間中に株取引:停職1か月

勤務時間中に3,900回の株取引を行った警察庁職員が、停職1か月の懲戒処分を受けました。職務専念義務違反です。

勤務時間中に繰り返し株取引を行ったなどとして、警察庁は45歳の男性キャリア職員を停職1カ月の懲戒処分にしました。

懲戒処分を受けたのは、長官官房付の男性キャリア職員です。職員は2010年3月から3年にわたり、当時勤務していた四国管区警察局のパソコンなどを使って、勤務中に約3900回の株取引をしていました。損失が出た際には、個人的な知り合いらから合わせて約800万円を借りたこともあったということです。警察庁は、国家公務員法の職務専念義務違反にあたるとして、懲戒処分としました。職員は、辞職の意向を示しているということです。

テレ朝news
勤務時間中にFX:減給10分の2(3か月)

勤務時間中にFXをしたことで減給処分を受けた事例です。取引で得た所得の確定申告も行っていなかったとのこと。

関東信越国税局は25日、勤務時間中に外国為替証拠金取引(FX)をしたなどとして、栃木県内の税務署に勤務する30代の男性国税調査官を減給10分の2(3カ月)の懲戒処分にした。取引で得た所得を確定申告しておらず、2018年までの3年間で約112万円の申告漏れもあった。
国税局によると16年1月~19年6月に計約277回、職場のトイレの個室などでスマートフォンを利用して株取引や暗号資産の売買をした。また15年12月~17年12月、インターネットで株主優待券などを売却していた。職務で得た情報は利用していないという。
19年12月ごろ、内部調査で発覚した。

Yahoo!ニュース
勤務時間中に株取引:減給10分の1(3か月)

勤務時間中に株取引を行い減給処分を受けました。停職にはならなかったものの、1,314回もの株取引は職務専念義務違反に該当します。

東京国税局は14日までに、勤務時間中にスマートフォンで株取引をしたのは国家公務員法が定める職務専念義務に反するとして、都内の税務署に勤める国税徴収官(41)を減給10分の1(3カ月)とする懲戒処分を発表した。
同局によると、徴収官は2013年1月~17年8月、勤務中に証券会社のサイトにアクセスし、計1314回取引した。

日本経済新聞
不動産賃貸業:減給10分の1(2か月)

上長の許可を得ず不動産収入を得ていたとして、減給処分が下された事例です。

公務員が不動産賃貸業を営む場合は人事院規則に定められている5棟10室の原則を守らなければなりません。

不動産収入の金額が大きすぎたことも懲戒処分の要因です。

仙台市教育委員会は26日、許可なく不動産賃貸業を営み、副業を原則禁止する地方公務員法に違反したとして、市立高校に勤める50代の女性教諭を減給10分の1(2カ月)の懲戒処分にした。
市によると、教諭は市内で一戸建て住宅3棟、アパート6棟などを購入して賃貸に出し、平成10年から30年に、計約1億9500万円の賃料を得ていた。

地方公務員は、親からの相続など特別な事情がある場合を除き、不動産で一定以上の賃料収入を得ることは認められていない。市は物件の売却などについて、教諭と協議するとしている。

産経新聞
YouTube投稿:減給10分の1(1か月)

直近の2022年1月には、YouTubeから広告収入を得ていたとして減給処分が下された事例があります。

動画配信サイト・ユーチューブへの投稿で収益を得たのは禁止されている副業に当たるとして、和歌山市消防局は11日、市北消防署の男性消防士長(33)を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。2020年12月から21年10月にかけ投稿して約115万円を得ており、市は「営利企業への従事等の制限」を定めた地方公務員法に抵触すると判断した。

毎日新聞
金猿夫婦
金猿夫婦

違法行為で免職はわかりますが、アルバイトでも減給や停職止まりが多いです。

あと減給レベルでも結局は依願退職する人が多いです。

公務員で副業をするには…

公務員でも認められた副業をするには以下の方法があります。全ての申請が必ず通るわけではありませんが、参考にしてみてください。

自営兼業承認申請書を提出する

公務員は国家公務員法第103条(私企業からの隔離)、第104条(他の事業又は事務の関与制限)、地方公務員法第38条(営利企業等の従事制限)に明記されている通り、副業が原則できません。

ただし、原則があれば例外もあります。国家公務員の場合は「所轄庁の長の申出により人事院の承認を得る」、地方公務員の場合は「任命権者の許可を受ける」ことで副業が認められます。

国家公務員は次の自営兼業承認申請書を提出して、承認されることで副業ができます。地方公務員は自治体で異なりますが、基本的には国家公務員の自営兼業承認申請書をベースにした申請書が存在します。

不動産等賃貸関係

自営兼業承認申請書には「事業内容、収入の予定年額、職員に必要とされる従事時間」など、さらに「利害関係の有無」や「職務遂行への支障の有無」なども記入します。また、それらを証明する必要書類も揃えます。

申請書は直属の上司が受理を判断して、その行政機関のトップが許可します。そのため、ほとんどの裁量権は上司にあります。

ただし、副業で問題や事故が起きたときは上司にも監督責任が追求されることから、あまり前向きな回答が期待できないかもしれません。そのため、副業を申請する前にあらかじめ上司に相談しておくことも必要です。

所得を配偶者名義にする

公務員による自営兼業承認申請書は却下されることもありますし、人気の副業であるクラウドソーシングや転売などは、公務員ができる副業の対象外です。そのため「ばれないように副業したい」ニーズは少なくありません。

そこで一部の公務員は本人ではなく、夫や妻などの配偶者名義、もしくは親や親戚名義で副業をしています。ただし、これには3つの重大なリスクが潜んでいます。

1つ目は「税金や社会保険を納める」ことです。配偶者の年収が93万円以上で住民税の納付義務、103万円以上で所得税の納付義務、130万円で社会保険料の加入義務が発生してしまい、収入が増えても手取り額が減ります。

2つ目は「どこからか情報が漏れる」ことです。配偶者名義でも「本人が副業の当事者である」とばれたときは、隠蔽と見なされて重い懲戒処分が課されます。公務員への社会的制裁は退職時まで尾を引き、生涯年収が減ります。

3つ目は「税務調査で問題が起こる」ことです。税務調査が入ったときに配偶者が適切に応対できないと、事実上の所得者は本人と指摘されます。その場合は追徴課税となり、それが役所にも伝わる可能性があります。

本来、所得の名義変更は法律違反であるため、まったく推奨できません。その副業で収入を得たい人は、休日に配偶者の仕事を手伝うというスタイルにすることで、合法的な副業として許可されやすいです。

金猿夫婦
金猿夫婦

公務員の副業がバレたら…まとめ

公務員は営利目的の副業が禁止されています。バレたら懲戒処分は免れません。

5種類ある懲戒処分のうち、停職・減給処分が下された事例が多くあります。

  • 訓告
  • 戒告
  • 減給
  • 停職
  • 免職

副業がバレたからといって免職や停職になることは考えにくいもの。しかし懲戒処分を受けた事実は変わりありません。

自分の評価に響くだけでなく、公務員全体の信用問題に関わります。

副収入を得るなら、公務員の副業禁止規定に引っかからない範囲に留めましょう!!

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